2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

無力へむける灯火

だれも手を差し伸べてはくれなかった。いや、出会ってきただれもが、"塞ぎ込んだ誰かに手を差し伸べて、その手を握り返してもらう方法"を知らなかったのだとおもう。 おれは相談ごとを、特定の誰かに対して行うことが苦手だ。心の中のモヤモヤとか、心と体が…

いつまでも口に入れたいものと、ただの羽虫

極めて安直で、ただの老化に基づく感性なのかもしれないと思いつつ、自身のここ一か月くらいの内情を吐露すると、SNSやソーシャルサービスに投稿される、イナゴの大群のような、味があるのに奥行きがないような、人のようで人でないような、そういった文章の…

この手を血に染めたなら

今からする話は他人の受け売りなのだけれど、受け売りでさえも10年も続けていれば、まるで自身の内にもとからあったかのように深く根付くものだ。ある時おれは、間違いなくこの考え方を一日に何度も反芻して覚え込ませていたし、その結果この思想は、あら…

わたしだけがいる水底

他人と比較することがひどく増えた、とおもう。 本日、異なる二者の偉大なる方から、「感動している方が筆は早い、描ける枚数は多い、つまり絵は上手くなる」「感動が枯れてしまっているなら筆を止めてでも恢復を図るほうがよい」という訓示を得た。 それを…